『ザ・レイザーズ・エッジ』は、オーストラリアのハードロックバンドAC/DCが1990年9月にリリースした12作目のスタジオ・アルバムである。バンドにとって国際的にリリースされた11作目、オーストラリアでは12作目に当たる。このアルバムはバンドの大きなカムバック作となり、ヒット曲「サンダーストラック」と「アー・ユー・レディ」を収録。これらはビルボードのメインストリーム・ロック・トラックス・チャートでそれぞれ5位と16位を記録し、「マネートークス」はビルボード・ホット100で23位に達した。アルバムはマルチ・プラチナ（500万枚売上）を達成し、アメリカでトップ10入りを果たした。全米ビルボード200では2位、イギリスでは4位を記録し、1970年代末から1980年代初頭の黄金期に匹敵する商業的成功を収め、バンドの人気を再び高めた。

バンドはオリジナル・プロデューサーのハリー・ヴァンダとジョージ・ヤングと共に『Blow Up Your Video』（1988年）をレコーディングした。このアルバムは商業的に成功し、前2作のスタジオ・アルバムの売り上げを合わせた数を上回った。『Blow Up Your Video』ワールド・ツアーは1988年2月、オーストラリアのパースから始まった。同年4月、ツアーの北米公演を目前に控え、マルコム・ヤングはツアーから一時離脱することを発表した。主な理由はアルコール依存症からの回復を図るためだった。ヤング家の別の成員である甥のスティーヴィー・ヤングが、一時的にマルコムの代役としてリズムギターを担当した。ツアー終了後、ドラマーのサイモン・ライトはDioの次作アルバム『Lock Up the Wolves』の制作に参加するためバンドを脱退し、元The Firmやマンフレッド・マンズ・アース・バンドのベテランドラマー、クリス・スレイドが後任として加入した。マルコムは、数年前にディープ・パープルやフリーと共演したシドニー公演で、スレイドがマンフレッド・マンと共演していたことを覚えていた。「AC/DCの人気は90年代初頭には下降していたが、バンドにはまだ多くの生命力が残っていた。『The Razor’s Edge』は、おそらくこのオーストラリアのヘッドバンガーたちにとって、ここ5年以上で最も力強いアルバムであり、AC/DCの真髄を体現している——騒々しく、攻撃的で、躊躇いなく楽しめるメタルで、灼熱のパワーコード、記憶に残るフック、テストステロンに満ちた歌詞が詰まっている。リード・シンガーのブライアン・ジョンソンは1983年の『Flick of the Switch』以来のインスピレーションを感じさせ、リード・ギタリストのアンガス・ヤングは『Shot of Love』や不気味なタイトル曲、そしてその名にふさわしい『Got You By the Balls』といった強烈な楽曲で、決して手加減しない。『Back in Black』『Highway to Hell』『Let There Be Rock』（これらは初心者にとって、この個性的なバンドへの最適な入門編となる）ほどの傑作とは言えないが、『The Razor’s Edge』はAC/DCのカタログに歓迎すべき1作として加わった。」（アレックス・ヘンダーソン、AMG）