『Who Made Who』は、スティーヴン・キングの映画『マキシマム・オーバードライブ』のサウンドトラックとして制作され、3曲の新曲（うち2曲はインストゥルメンタル）と既存の人気曲を組み合わせた内容となっている。映画自体についての言及はほとんどなく（裏ジャケットの小さな説明文に「スティーヴン・キング映画『マキシマム・オーバードライブ』公式サウンドトラック」とあるのみ）、アトランティック・レコードはこれをAC/DCの新作として認知させることを望んでいたようだ。（この映画は、不朽のホーマー・J.風に言えば「史上最低のトラック映画」だった。）3曲の新曲は『Back In Black』と同じスタジオでプロデューサーのハリー・ヴァンダとジョージ・ヤングと共に録音され、インストゥルメンタル曲は通常のサウンドトラック音楽よりも質が高く、「Who Made Who」はロックの名曲だ。『Who Made Who』はAC/DCがリリースした中で最もベスト・ヒット集に近い内容で、一部のファンはこれをベスト盤として受け止め、バンドの偉大さに酔いしれた。スティーヴン・キング自身がこれらの曲を選んだという説もあるが（真偽は定かではない）、またcrabsodyinblue.comによれば「For Those About To Rock (We Salute You)」はこの映画用にリミックスされたという（オリジナルを持っていないため確認できない）。「Ride On」が収録された理由や「For Those About To Rock」が耳に鮮烈に響く理由を説明するヒントになるかもしれない。正直なところ、『Who Made Who』は『Back In Black』ほどヒット曲の網羅性に優れているわけではない。『Fly On The Wall』からの「Sink The Pink」と「Shake Your Foundations」の収録は自己満足的で、2曲の新インストゥルメンタルもほぼ不要であり、パッケージも簡素（ほとんどのサウンドトラック同様）だ。しかし、凡作の映画と比べれば、真の王者が誰かは明白である。

一見すると『Who Made Who』は、ただの安っぽい映画（スティーヴン・キングの大失敗作『マキシマム・オーバードライブ』）の安っぽいサウンドトラックに過ぎない。しかし実際にはそれ以上の意味を持つ。これはAC/DCの名曲を振り返る強烈な作品集であり、「You Shook Me All Night Long」や「For Those About to Rock」といったクラシックを疾走させ、バンドのレパートリーに叩きつけるようなタイトル曲を加え、平凡なアルバムから埋もれていた「Sink the Pink」のような曲を救い出している。完璧な回顧録とは言えない——「Back in Black」も「Highway to Hell」も「Dirty Deeds Done Dirt Cheap」も収録されていない——が、ここに収められた曲はどれも素晴らしい。（スティーヴン・トーマス・アールワイン、AMG）