『ブロンド・オン・ブロンド』は、アメリカのシンガーソングライター、ボブ・ディランの7作目のスタジオ・アルバムで、1966年5月16日にコロムビア・レコードからリリースされた。レコーディング・セッションは1965年10月にニューヨークで始まり、ディランのライブ・バンド「ザ・ホークス」のメンバーを含む多数のバックミュージシャンが参加した。セッションは1966年1月まで続いたが、最終アルバムに収録されたのは「ワン・オブ・アス・マスト・ノウ（スーナー・オア・レイター）」のみだった。プロデューサーのボブ・ジョンストンの提案により、ディランとキーボーディストのアル・クーパー、ギタリストのロビー・ロバートソンはテネシー州ナッシュビルのCBSスタジオに移動。ナッシュビルのトップ・セッション・ミュージシャンたちの助力もあり、これらのセッションはより実り多いものとなり、2月から3月にかけてアルバムの残りの曲すべてが録音された。『ブロンド・オン・ブロンド』は、『ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム』と『ハイウェイ61再訪』に続く、ディランが1965年から1966年にかけて録音したロック・アルバム三部作の完結編である。批評家たちはしばしばこのアルバムを史上最高のアルバムの一つに挙げている。ナッシュビルのセッション・ミュージシャンの技術とモダニスト的な文学感覚を融合させたこのアルバムの楽曲は、音楽的に壮大なスケールで展開しながら、ある批評家が「幻想的かつ口語的な独自のブレンド」と評した歌詞が特徴だ。ロック音楽における初期のダブル・アルバムの一つであり、アメリカのビルボード200チャートでは最高9位を記録、最終的にダブル・プラチナを獲得した。イギリスでは3位に達した。『ブロンド・オン・ブロンド』からは「レイニー・デイ・ウィメン＃12＆35」と「アイ・ウォント・ユー」の2つのシングルがアメリカでトップ20入りした。さらに「ジャスト・ライク・ア・ウーマン」と「ヴィジョンズ・オブ・ジョアンナ」の2曲は、ディランの最高傑作の一つとして挙げられ、『ローリング・ストーン』誌の「史上最も偉大な500曲」リストにも選ばれた。このアルバムはロバート・ディメリーの著書『死ぬまでに聴くべき1001枚のアルバム』にも収録されている。