Barre Phillips – For All It Is (1973/2018) [FLAC 24bit, 96kHz]

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この異色の出会いは、ベーシストのバレ・フィリップス(本作の記録も担当)、パレ・ダニエルソン、バリー・ガイ、J・F・ジェニー=クラークとパーカッショニストのスチュ・マーティンを触覚的な対決に導き、様々な結果を生んだ。4人の巨匠がこれほど開放的に響かせるとは驚きであり、「just 8」でいくつかのもつれが生じるのも当然だろう。しかし、この導入曲は概して、アルバム後半を特徴づける分離の明瞭さを保っている。いずれにせよ、前例のない音の世界への軽快な旅だ。マーティンは「whoop」で、ピチカートの記号が飛び交う中、魅力的なループで土台を固める。「few too」と共に、それは日光を求めて泣くジャック・イン・ザ・ボックスを思わせる。その報われない嘆きから、世界すら自分のために回らないという希望に歪められた明るい約束が生まれる。確かに憂鬱な希望だが、それでも希望だ。マーティンがここにいないことが、この曲を早くも際立たせている。ただ、頑固な指先によって無数の形に押し込められた弓の揺れだけだ。「la palette」と「y en a」はもう一つのペアを形成し、この最も歪んだ弦楽四重奏に明らかに建築的なアプローチを取る。共に、破壊と痛み、癒しの循環を形作る。
このアルバムが本当にまとまるのは最後の2曲だ。「dribble」はその点描的なリズムからしてタイトルがぴったりで、「y. m.」はバッテリーを外された匿名の車の警報装置が新たな音響生命を得て踊るような曲だ。後者は特に複雑で重厚な作品で、鮮やかな言い回しが散りばめられている。『For All It Is』は何よりも言語学的な実験だ。その同系語は馴染み深いが、文法はそうではない。フィリップスの他の驚くべきECM作品と比べるとおそらく一番おすすめしにくいが、完璧主義者にとっては4人のベーシストのキャリアレーダー上で興味深い点となるだろう。
1-1. Barre Phillips – Just 8 (06:53)
1-2. Barre Phillips – Whoop (03:49)
1-3. Barre Phillips – Few Too (07:03)
1-4. Barre Phillips – La Palette (04:27)
1-5. Barre Phillips – Y En A (06:09)
1-6. Barre Phillips – Dribble (07:06)
1-7. Barre Phillips – Y. M (04:47)

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