バシコルトスタン出身のロシア人ジャズ・ヴォーカリスト、アンナ・コルチナは、サンクトペテルブルク国立文化芸術大学を卒業後、2017年にニューヨークで録音した3作目のヴィーナス・レコードアルバム『Wild Is The Wind』をリリースしました。ジョン・ディ・マルティーノ（ピアノ）、ピーター・ワシントン（ベース）、ウィリー・ジョーンズIII（ドラム）というオールスター・バンドを従えた本作では、2015年のデビュー作『Street of Dreams』（マッシモ・ファラオ・トリオとの共演）や2016年の『Dark Eyes』に続き、コルチナがカルテットの一員として等しく参加。彼女の滑らかで官能的な声がアンサンブルと見事に調和し、特にタイトル曲ではワシントンのベースから繊細に浮かび上がります。「You Do Something To Me」「So In Love」「Don’t Look Back」など全14曲のラブソング・スタンダード集では、洗練されながらも現実的な知恵を感じさせるコルチナの歌声が、さまざまな感情の側面を探求。立体感のあるエンジニアリングによって没入感のある音空間が創造され、『Wild Is The Wind』はアンサンブル・ジャズの圧倒的に親密な名演として完成しました。