Animal Collective – Painting With (2016) [FLAC 24bit, 88,2kHz]

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アニマル・コレクティブには数多くの強みがあるが、簡潔さはこれまでその一つではなかった。しかし今作では、2012年の『Centipede Hz』の続編として「余計なものを省き、直球勝負で仕上げる」という方針を掲げた。ザ・ビーチ・ボーイズが『ペット・サウンズ』を制作したハリウッドのスタジオでレコーディングされ、「キュビスムやダダイズム、そしてそれらの芸術家たちの歪んだ世界観」にインスパイアされた『Painting With』は、これまでのアニマル・コレクティブ作品と同様に野心的な仕上がりだ。しかし、複雑なポリリズム、サイケデリックなシンセ効果、そして過剰なボーカル・ハーモニーが入り混じる中で、トリオは無駄のない、ポップなフックに満ちた作品を生み出した。
彼らの最も人気のあるアルバム『Merriweather Post Pavilion』(2009年)と同じく、アヴィ・タア(デイヴィッド・ポートナー)、パンダ・ベア(ノア・レノックス)、ジオロジスト(ブライアン・ワイツ)のラインナップを擁する、愛され続けるインディー・エクスペリメンターズ、アニマル・コレクティブ。10作目のロングプレイヤー『Painting With』では、年齢を重ねても鈍さを見せない。しかし、このアルバムはアプローチの変化を記している。創造的で奇抜なポップチューンが炸裂し、時に50年代のSFを思わせる鮮やかな電子音色が用いられており、ジオロジストが発売前の『ローリング・ストーン』インタビューで「我々のラモーンズ的なレコード」と表現したよりも、むしろ「彼らのデヴォ的なアルバム」と呼んだ方が正確だったかもしれない。とはいえ、要点は伝わっている。形式は引き締まり、人工的なリバーブは削ぎ落とされ、実験的な要素は排除されずとも大幅に制限され、活気あるビートと心地よいハーモニーが重視されている。しかし、ファンは彼らが空力的なジングルの集まりを作ったと心配する必要はない。曲は依然として芸術的で、唯一無二のアニマル・コレクティブらしさを保っている。例えば、リズム的に複雑な連動ボーカルがアルバム全体を駆け巡り、精密な「Lying in the Grass」や「Hocus Pocus」(ジョン・ケイルがヴィオラで参加)などがその例だ。歌詞は音節ごとに繰り返され、二人の歌手がハーモニーの瞬間で合流し、メロディをマックス・フライシャーのカートーンのように跳ねさせる。「Summing the Wretch」はポリリズムの効いた小曲で、影のようなボーカルと軽快なテンポがシンガロングを挑発する(刺激物に酔った「Sleigh Bells」を想像してみてほしい)。また、「On Delay」はアルバム中最もグリッチな曲だが、太く駆動感のあるドラムトーンと、鉄道のポイントのような間欠的なコード進行に沿って滑る緩やかな構造が支配している(とはいえ、ジェットコースターのような速さで)。それでもまだ楽しさが足りないなら、サーファリス「Wipeout」のサンプル(「FloriDada」)やTVドラマ『The Golden Girls』の台詞(「Golden Gal」)もアルバムに彩りを添えている。『Painting With』は、カリフォルニア州ハリウッドのイーストウエスト・スタジオのスタジオ3で録音された。ここはビーチ・ボーイズ『Pet Sounds』を含む多くの伝説的アルバムが録音された場所だ。間違いなく素晴らしいサウンドを誇るこのレコードは、アニマル・コレクティブの最も鮮やかな色彩を前面に押し出しており、歴史が示すように、彼らが次に何をするかを予測するものでは全くない。
1-01. Animal Collective – FloriDada (04:05)
1-02. Animal Collective – Hocus Pocus (03:16)
1-03. Animal Collective – Vertical (04:14)
1-04. Animal Collective – Lying In The Grass (03:34)
1-05. Animal Collective – The Burglars (02:43)
1-06. Animal Collective – Natural Selection (02:41)
1-07. Animal Collective – Bagels In Kiev (02:48)
1-08. Animal Collective – On Delay (03:48)
1-09. Animal Collective – Spilling Guts (01:58)
1-10. Animal Collective – Summing The Wretch (03:08)
1-11. Animal Collective – Golden Gal (04:41)
1-12. Animal Collective – Recycling (04:06)

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