「バレエスリッパーズ」は、アニマル・コレクティブのスタジオアルバム『メリウェザー・ポスト・パビリオン』の10周年を記念したライブ音源です。このリリースは、同アルバムの北米ツアーから数公演を選りすぐり、楽曲の繋がりや間奏を含む完全なコンサート体験を再現するように構成されています。

彼らのほぼすべてのアルバムが大きく異なるアプローチを取っていたが、アニマル・コレクティブの強みのすべてが2009年の画期的なアルバム『Meriwether Post Pavilion』で結実した。初期のアルバムはメロディの核をほのめかしていたが、騒々しい実験や抽象的なフォーク調の下に深く埋もれ、しばしば見失われていた。電子プロダクション、ビッグビート、そしてアニマル・コレクティブ特有の親しみやすい奇妙さが見事に融合した『Meriwether Post Pavilion』は、ついにバンドの断片的なポップビジョンをよりアクセスしやすい形で表現した。『Ballet Slippers』は、多くのファンにとって彼らのお気に入りアルバムとなったこの作品をサポートするために2009年夏に行われたツアーからの選りすぐりのライブパフォーマンスを収録している。このグループは長年、新曲をレコーディングする数ヶ月あるいは数年前からライブで披露する傾向があり、ファンには進行中の作品を先行して聴かせるという珍しいライブアプローチを取っていた。『Ballet Slippers』では、この特異なライブスタイルが少し異なる形で現れている。収録曲は『Meriwether Post Pavilion』の11曲中9曲のライブバージョンと、他のアルバムからの数曲を大幅に改変したバージョンで構成されている。スタジオアルバムではポップやエレクトロニカの直接的なアタックがバンドのしばしば濁ったサウンドの壁を切り裂いていたが、ライブではその濁りを引き延ばし、探求している。「Summertime Clothes」や「In the Flowers」のようなポップな楽曲でさえ、観客が知っている曲にたどり着く前に、可能な限り引き延ばし、迂回するような長くて散漫なイントロが特徴だ。「Brothersport」はミニマルなリズムのイントロに留まり、ビートが落ちる前にゆっくりと曲のサンプルを紹介していく。バンドは曲と曲をつなぐ空間で演奏し、しばしば即興のボーカルを加えたり、より過激なノイズのテクスチャーに深く潜り込んだりする。2005年のアルバム『Feels』からの曲を再訪する際には、さらに地図から外れた方向へ進む。「Banshee Beat」は10分以上空中に浮遊し、通常は明るく落ち着きのないアコースティックソング「Who Could Win a Rabbit」は狂気的で断片的なものに変貌する。常に変化し続けるバンドの記録として、『Ballet Slippers』はアニマル・コレクティブが最も成功し、愛された作品を生み出した後に存在したであろう葛藤を捉えることに優れている。カジュアルなリスナーには難しすぎるかもしれないが、その特別な難しさはアニマル・コレクティブの作品のほとんどに内在するものだ。～フレッド・トーマス