アンドレア（2004年）は、アンドレア・ボチェッリの10作目のスタジオ・アルバムであり、5作目のポップ作品として、オランダのアルバムチャートTop 100で1位を獲得、33週にわたってチャートインし、ゴールド認定を受けた。世界を代表するクロスオーバー・アーティストとして、ボチェッリはクラシックとポップの聴衆を巧みな芸術性でバランスさせている。このアルバムでは、コンセプトと制作においてボチェッリ自身がより主体的に関与した姿勢が反映されている。「シン・トゥ・アモール」では、ジプシー・キングスのイベリア風フォークポップと彼の歌声が融合し、豊かなハーモニーを生み出している。「ホエア・ラヴ・ゴーズ」は、映画『ラザロの子供』で共演した11歳のホリー・ステルとのデュエットで、荘厳な礼拝堂の風格を漂わせている。「トゥ・チ・セイ」は「コン・テ・パルティロ」のロマンティシズムを彷彿とさせ、ボチェッリの代名詞ともいえるスタイルを貫いている。シングル「デル・アモーレ・ノン・シ・サ」は、マウロ・マラヴァージ（『ロマンツァ』『ソーニョ』の編曲者）によるドラマティックなアレンジで、ボチェッリの圧倒的な歌唱力を存分に披露している。SACDフォーマットにより、アルバムの華麗なオーケストレーションとボチェッリの情感豊かな歌声がさらに引き立てられている。ボチェッリの卓越した審美眼と歌唱力はクロスオーバー・ジャンルの評価を高め、その名声を確固たるものにした。『アンドレア』は彼の国際的な魅力をさらに広げ、世界的な音楽アイコンとしての地位を確立する一作となった。