Allan Taylor – Leaving At Dawn (2009) [SACD / Stockfisch Records – SFR 357.4057.2]

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アラン・テイラーの20作目となるアルバム『Leaving at Dawn』(2009年)は、彼のフォーク色を帯びた吟遊詩人スタイルへの回帰を象徴し、ルーツ音楽の真髄を体現している。卓越したソングライターであるテイラーは、温かみのあるボーカルと精巧なギターワークで、愛と場所をテーマにした本質的な作品を届ける。2001年から2007年にかけて主に書かれた楽曲は、簡潔でありながら教養豊かな言葉遣いで普遍的な真実を織り交ぜ、愛(『Lay Soft on Your Pillow』)や土地(『Provence』)を思索する。特に注目すべきは伝統的スタイルの『Firefly』、父親への賛辞である心に響く『The Almost Man』、第一次世界大戦の恋文を翻訳した『Red on Green』だ。『The Living Tradition』誌が称賛した最新のSACD録音技術により、アコーディオンやバンジョー、フレットレスベースの音色が驚異的な明瞭さと豊かな質感で再現されている。テイラーの語りの力は特定の時間と状況を巧みに描き出し、『The Last of the Privateers』では物語性豊かなバラードとして結実する。アルバムは内省的な憂愁と「黄金の星」を追うという楽観主義を両立させ、フォークを基調としたアコースティック編成では壮大なギターと少数精鋭の共演者の情感あふれる演奏が光る。『Leaving at Dawn』はテイラーの最高傑作の一つとされ、質の高い作詞・歌唱・広がりのあるプロダクションで聴き手を引き込む。テイラー自身、イギリスとアイルランドの伝統歌謡からの影響を認めており、アルバム全体にフォークの本質が息づいている。
1 – Winter 3:54
2 – The Almost Man 6:31
3 – Back Home To You 4:43
4 – Provence 3:46
5 – Firefly 6:07
6 – Lay Soft On Your Pillow 4:06
7 – New York In The Seventies 6:10
8 – The Last Of The Privateers 5:43
9 – Leaving At Dawn 4:19
10 – It Could Have Been 3:36
11 – Make Another Turn 5:08
12 – Red On Green 3:46

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