アリス・イン・チェインズのデビュー・スタジオ・アルバム『Facelift』の30周年を記念し、2020年11月13日に新たにリマスターされた音源がリリースされる。このアルバムはレイン・ステイリー、ジェリー・カントレル、ショーン・キニー、マイク・スターを世に送り出しただけでなく、グランジ・ミュージック時代の画期的な作品でもあった。『Facelift』はアメリカ国内だけで200万枚以上を売り上げ、「Man in the Box」「Bleed the Freak」「We Die Young」「Sea of Sorrow」などのヒット曲を収録している。

1990年、ニルヴァーナの『ネヴァーマインド』の約1年前に、アリス・イン・チェインズのデビューアルバム『フェイスリフト』がリリースされた当時、シアトルの盛り上がる音楽シーンは、アンダーグラウンドの圏外ではほとんど注目されていなかった（ただし、サウンドガーデンのメジャーレーベルデビュー作『ラウダー・ザン・ラヴ』も同年にリリースされ、グラミー賞ノミネートをもたらしている）。この状況は、MTVが「マン・イン・ザ・ボックス」のビデオを大々的に取り上げたことで変化し始め、バンドに重要な後押しを与え、1991年末にかけてグランジの人気爆発への道を開く一助となった。彼らの主な影響源——ブラック・サバスやストゥージズ——はシアトルシーンでは珍しいものではなかったが、アリス・イン・チェインズはおそらくグランジ・バンドの中で最もメタリックな要素を持ち、アンダーグラウンド以外の層にも確かな魅力を放っていた。それでもなお、バンドの不気味で重苦しく、窒息するようなサウンドは、1990年代のハードロックシーンで広く注目されていた他のどの音楽とも似ていなかった。快楽主義的でもなく、特に技術的に優れているわけでもないアリス・イン・チェインズの楽曲は、ほとんどが遅く、圧迫感のある哀歌で、メロディの存在は否定できないものの、バンドの楽器の濁った泥のような攻撃の上を這うように進み、ハードロックがキャッチーで親しみやすいという従来の概念にはほとんど当てはまらなかった。『フェイスリフト』の一部は、特に不安定な後半にかけて、大げさで重苦しい爆発に陥る部分もあり、歌詞も未熟なところがあるが、全体としての効果は新鮮でエキサイティング、そして力強い。アリス・イン・チェインズはその後、より優れた一貫性のある作品を生み出していくが、『フェイスリフト』はハードロックやヘヴィメタルのリスナーに向けてグランジやオルタナティブ・ロックの聴衆を確立する上で最も重要なレコードの一つであり、プラチナセールス認定も獲得し、アリス・イン・チェインズをシアトル発のバンドとして初めて、より広く、アンダーグラウンドに限定されない聴衆に突破させたのである。（スティーブ・ヒューイ、AMG）