「どうして君がいなくて寂しくなれるというのか、君が去ろうとしないのに？」——この言葉は、ダイアン・ウォーレンが共作したエアロスミスのパワー・バラードのタイトルにふさわしく聞こえるが、同時にボストン出身の5人組バンド自身にも当てはまる感情だ。2012年の『Music from Another Dimension!』は8年ぶりのアルバム——そして実に10年以上ぶりのオリジナル作品——だが、この空白の期間中もバンドは常に話題の中心にいた。スティーヴン・タイラーが『アメリカン・アイドル』でサイモン・コーウェルの後任としてアメリカの家庭に騒がしく登場しただけではない。タイラーのミック・ジャガーに対してジョー・ペリーはキース・リチャーズ的な存在だが、彼はタイラーのテレビ進出に不満を抱き、それは公の場で繰り広げられた数々の内輪もめ事の一つに過ぎなかった。この亀裂は『Music from Another Dimension!』にも刻まれている。特に終盤でペリーがマイクを奪い、バンドの全盛期を思わせる力強いロックナンバーを2曲披露する場面が顕著だ。しかし何よりも、この予算たっぷりの大作は、エアロスミスがまさに「別次元」から放送していることを伝えている。ロックバンドの派手で何でも詰め込んだアルバムが、勢いだけで何百万枚も売れた時代の次元だ。キャリー・アンダーウッドが「Can’t Stop Loving You」でデュエットを披露しているが、それが1997年のような日常を生きるこのアルバムで現代に唯一頷いた部分だ。ロックナンバーもバラードもすべてが大きく、大きく、大きく、無数のオーバーダブで彩られ、最初はフックが聞き取りにくいほどの騒音だ。この眩い轟音はタイラーの声の荒れも都合よく隠しているが、エアロスミスはアルバムそのものの性質によって、本当の年齢を露呈している。簡単に言えば、もはや誰もこんなアルバムを作らない。万人にすべてを詰め込んだロックアルバムを作ろうと大枚をはたく者はいない。エアロスミスはこの状況に全く気付かず、1997年のように振る舞い続けている。そしてある意味、製品全体として見れば、『Music from Another Dimension!』は『Nine Lives』に劣らない。すぐにヒットする「Fallin’ in Love (Is Hard on the Knees）」や、2001年の『Just Push Play』からの「Jaded」のようなシングルはないが、90年代のエアロスミスの設計図に忠実に従い、間違いはないが、どうにもしっくりこない。～スティーヴン・トーマス・アールワイン