『ゲット・ユア・ウィングス』は、エアロスミスの2枚目のスタジオ・アルバムで、1974年3月1日にリリースされました。このアルバムは1973年12月17日から1974年1月14日にかけて、ニューヨーク市のレコード・プラント・スタジオで録音されました。レイ・コルコードとジャック・ダグラスがプロデュースを担当し、1974年のビルボード200チャートで最高74位を記録。その後、RIAAによってトリプル・プラチナ認定を受けました。アルバムからのヒット・シングルには「セイム・オールド・ソング・アンド・ダンス」、「トレイン・ケプト・ア・ロリン」、「S.O.S. (トゥー・バッド)」が含まれます。

1974年にリリースされたエアロスミスの2作目『Get Your Wings』は、後に続く『Toys in the Attic』や『Rocks』という双子の傑作に影が隠れがちだが、ここでエアロスミスは真のエアロスミスになった。プロデューサーのジャック・ダグラスとタッグを組み、影響を脱ぎ捨てて独自のサウンドを確立し、ソングライターとして成長し、スティーヴン・タイラーが性とスラムへの執着を炸裂させた記念碑的作品だ。特にダグラスの貢献は大きく、バンドをスタジオに慣れさせつつ、デビュー作では捉えきれなかった本質を鮮明に記録した。油にまみれ、砂利を噛むようなハードな音作りはダグラスの手腕だけでなく、バンド自体の個性が強まった証だ。ジョー・ペリーとジョーイ・クレイマーの絡みにブルースの根は感じつつ、ブルースロックの枠を飛び越え、滑るようなハードロックへ進化。ストーンズの影響は残るものの、むしろヤードバーズ的なリフワークが目立ち、特にカバー曲「The Train Kept a Rollin’」で顕著だ。ただしヤードバーズの緊密な神経質さとは対照的に、エアロスミスは爆発的な緩み——過剰の化身のようなサウンドを展開する。唯一例外は楽曲構成で、タイラーの性的エネルギーが駆動する確固たる骨格がある。「Lord of the Thighs」で「Same Old Song and Dance」を演じつつ、不気味なバラード「Seasons of Wither」では重厚なムード構築力を示し、バンドの成長を証明。デビュー作にはなかった不穏さに挑戦するだけでなく、ブルージーな暴れ方をより大胆に熟成させたことが、このセカンドアルバムを最初のクラシックたらしめている。