素晴らしいデビューアルバム『Philharmonics』（2010年）と壮大なセカンドアルバム『Aventine』（2013年）に続き、アグネス・オベルの最新作『Citizen of Glass』は、ベルリンを拠点とするこのデンマーク人アーティストが決して過去の栄光に安住せず、独自の音楽スタイルをさらに進化させようとする意志を疑いようもなく証明している。オベルは過去の楽曲を再訪し、音楽の感情的な核心により深く迫る明確（そして成功した）試みを通じて、真に斬新なサウンドを創り出した。例えば『Familiar』のような楽曲では、彼女の心に残るボーカルが他ならぬ自分自身と重ね合わされ、その結果がこれほど美しいものになるとは誰が想像しただろうか。これまで以上にスケールが大きく、私たちの音楽的飢えを満たす栄養に満ちた作品だ。この見事に構成された3作目のアルバムでは、音が物質のように存在感を放っている。