アンドレ・クリュイタンス指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団によるシューベルトとリストの名演を収めたこの歴史的録音。フランツ・シューベルトのロ短調交響曲D759、通称「未完成交響曲」は、1822年に作曲が開始されたものの、シューベルトが残したのは2楽章のみ——その後6年生きながらえたにもかかわらず。スケルツォもピアノスコアほぼ完成状態で残されているが、オーケストレーションは2ページ分のみ。今日に至るまで、なぜシューベルトがこの交響曲を完成させなかったのか、音楽学者の間でも意見が分かれている。「レ・プレリュード」は、フランツ・リストが作曲した13の交響詩のうち3番目の作品。1849年から55年にかけて作曲され、当初はリストの合唱連作「四大元素」の序曲として構想されたが、後にフランス詩人アルフォンス・ド・ラマルティーヌの詩に触発されて改作された。レ・プレリュードは「交響詩」と題された最初の管弦楽作品として知られている。