1986年に初リリースされた、影響力のあるギタリスト、アラン・ホールズワースの『Atavachron』が、2012年のリイシュー・シリーズの一環としてリマスターされました。『スタートレック』のエピソードに影響を受けたこのジャズ・フュージョン・アルバムは、ホールズワースがその後数作で使用した電子コントローラー「SynthAxe」のデビュー作としても知られています。

少し背景を説明すると、1980年代にSynthAxeが発明されました。それはUFOから落ちてきたような見た目で、ギターに似た形状で弦と様々なコントロールを備え、シンセサイザーをトリガー（演奏）することができました。ユニークだったのは、ギタリストがキーボードの高度な技術を必要とせずにシンセサイザーを演奏できる点でした。SynthAxeは、ギタリストの技術をシンセサウンドに独特に変換するインターフェースでした。ギタリストのアラン・ホールズワースにとって、それは標準的なギターでは実現できない、彼の魂に秘められた音を表現する全く新しい方法でした。ホールズワースは常にホーンのような音色と、音符を多様に操る能力を追求してきました。彼はギターにおいて最もユニークなスタイリストの一人として知られていますが、SynthAxeによってギターでは到達できない領域に進むことができました。このリリースは、ホールズワースが初めてSynthAxeとエレキギターを併用した点で特別でした。SynthAxeの音はギターというよりキーボードに近く、キーボードよりも広い音域を持ち、この作品では多様なシンセサウンドやエフェクトを聴くことができます。このリリースはセミ・プログレッシブなシンフォニック要素を提供し、ジャズフュージョンの境界をさらに押し広げました。1曲で聴かせる美しい女性ボーカルは、SynthAxeのシュールなビジュアルミュージックとホールズワースのキーボード的なリードによって彩られ、ギターファンをがっかりさせたかもしれませんが、この作品はリリースを重ねるごとにホールズワースが示してきた天才の明確な証拠です。そして予想通り、ホールズワースはギターソロでリードのような音色とフレージングを追求し続け、それが彼の最高のパフォーマンスを引き出しました。――AllMusicレビュー（ジョン・W・パターソン）