キューバのピアニスト兼作曲家アルフレド・ロドリゲスは、この作品で故郷キューバの記憶、残してきた人々や文化を探求し、新たな居場所を見出している。プロデューサーにはロドリゲスの支援者でありメンターであるクインシー・ジョーンズが参加。ベーシスト兼ボーカリストのエスペランサ・スパルディングら素晴らしいアンサンブルを迎えた『The Invasion Parade』には、ロドリゲス自身のオリジナル曲に加え、「グアンタナメラ」などのスタンダードを含む9曲が収録されている。「自国に住んでいると、その現実に没頭しているため、それを形作る様々な要素を必ずしも意識していません。私はキューバ音楽を呼吸していました。その現実の外にいることで、新たな視点を得ました。この音楽を作り、演奏することは、改めて自分自身を見つめ直すような体験でした」——アルフレド・ロドリゲス

キューバ出身のジャズピアニスト、アルフレド・ロドリゲスのマック・アベニュー・レコード第2弾アルバムのタイトルは、キューバ独立を祝うサンティアゴ市の年次パレードに由来する。2011年『Sounds of Space』の続編となる本作で、ロドリゲスは故郷の音楽を情熱的に掘り下げた。クインシー・ジョーンズとの共同プロデュースで、サックス奏者ビリー・カリオンとロマン・フィリウ、ドラマー/パーカッショニストのヘンリー・コール、ボーカリスト/パーカッショニストのペドリート・マルティネス、フルート奏者ハビエル・ポルタ、ベーシストのピーター・スラヴォフとエスペランサ・スポルディングが参加。類稀なる才能を持つピアニスト兼アレンジャーのロドリゲスは、グアヒロからヨルバのサンテリア音楽、コンパルサ、ティンバ、カリブの民俗音楽、そしてアフロ・キューバン・ジャズまで、キューバの多様な音楽を徹底的に探求。オリジナル曲、民謡、クラシックを現代的な解釈で見事に融合させた。特に「グアンタナメラ」の大胆で不協和音的な政治的アレンジ、軽快な「ア・サンタ・バルバラ」、リズムと和声を大胆に再解釈した「キサス、キサス、キサス」や「ベインテ・アニョス」といったスタンダードの破壊的演奏、高速アルペジオが炸裂する「ティンベロボット」が傑出している。――オールミュージック評（トム・ジュレック）