カナダの新進ポップスター、アレッシア・カラがデビューEP『Four Pink Walls』の成功を受けてリリースした本作は、デュオPop & Oakとの楽曲制作・プロデュース協力を得たフルアルバム。『Know-It-All』にはブレイクヒット曲「Here」に加え、EP収録の4曲と本作のために書き下ろされた楽曲を収録。このデラックスエディションには3曲のボーナストラックが含まれ、その中には「Here」のストリップドダウン・バージョンも収められている。「『Here』は私にとって計り知れない存在です。あの曲がこんなに広まるなんて、不思議でクールな出来事でした。シングルになる予定さえなかったのに、自然とネットで広がっていった。まさかこれが自分の代表作になるなんて。本当に狂ったような、不思議な経験でした」——アレッシア・カラ

ティーンエイジャーの壁の花のアンセム「Here」は、アレッシア・カラのDef Jamレーベルでのデビュー曲で、2015年5月にリリースされた。この曲は、ビルボードのR&Bチャートのトップやその周辺を占めていたザ・ウィークエンドの「Earned It」、オマリオンの「Post to Be」、リアーナの「B**** Better Have My Money」などのヒット曲とは全く異なるサウンドだった。アイザック・ヘイズのサンプルが使われていることはすぐにわかったが、「Here」は際立っていた。その理由は、社交的不安を描いた内容が非常にリアルだっただけでなく、カラが年齢の割に驚くほど落ち着いた歌声を披露していたからだ。3か月後、この曲はカナダ人シンガーソングライターのデビューEP『Four Pink Walls』に収録された。他の4曲はトップ10入りしたR&Bシングルを超えることはなかったが、どれも力強く、スマートなポップとR&Bの構成を融合させ、切り替えながら、カラは成長と恋愛について歌った。EPはタイトル曲で締めくくられ、メロディアスで勝利を感じさせるヒップホップソウルで、カラは自身の初期の成功を振り返り、自分の中にそれを持っていると知りつつも、やはりぼんやりとした不信感を抱いていた。『Four Pink Walls』はフルアルバム『Know-It-All』の前半として再録された。全新曲の後半は「Wild Things」で始まり、穏やかな不適合者のグループのテーマとなり、自己否定感を持つ少女や女性に向けた「Scars to Your Beautiful」で終わる。この2曲の間で、カラは率直に憧れと安定を求め、その後、薬物乱用と遊園地のメタファーを使って、不安定な関係を表現している。常に、カラは冷静で、10代後半とは思えないほど賢く、それは彼女の観察眼を通じて伝わってくる。また、彼女は計算された歌唱と少しざらついた声を持ち合わせている。YouTubeで発見された彼女は、アンドリュー・“ポップ”・ワンゼルとウォーレン・“オーク”・フェルダーと巧みに組んだ。彼らはここでプロデューサー兼共同ソングライターとして、クリセット・ミシェル、アリシア・キーズ、タミア、特にエル・ヴァーナーと並んでやってきたことを補完している。新進ソングライターのコールリッジ・ティルマン（別名セバスチャン・コール）も参加している。ここで示された潜在能力のレベルから判断すると、カラは将来的には創造的な助けをずっと少なくして済むことは明らかだ。 –AllMusicレビュー（アンディ・ケルマン）